屋根材選びは、住宅の長寿命化を目指すうえで重要なポイントです。
特に「トタン」と「ガルバリウム鋼板」は、どちらも金属製で耐震性や施工性に優れていることから比較されることが多い材料です。
しかし、具体的な特性やメリット・デメリットを理解していないと、自分の家に最適な選択ができず、将来的にメンテナンスや交換のコストがかかってしまうこともあります。
本記事では、トタンとガルバリウム鋼板の違いを解説します。
トタンとガルバリウム鋼板の基本的な違い
トタンとガルバリウム鋼板は、一見すると似た金属屋根材ですが、耐久性や使用状況、耐震性などにおいて異なる特徴を持っています。
ここでは、各屋根材の基本的な特性を比較し、長所と短所を整理します。
1: トタン
・特徴と使用状況
トタンはかつて、日本の住宅によく使われていた屋根材です。施工が容易でコストも抑えられるため、瓦よりも手軽に導入できる点が好まれていました。
また、軽量であるため耐震性にも優れており、特に地震の多い地域では需要がありました。
・耐久性とメンテナンス
トタンの耐用年数は10〜20年とされ、ガルバリウム鋼板と比較して短期間です。
特にサビに弱く、10年未満でサビが発生することも少なくありません。
また、断熱性や防音性が低いため、現在の住宅ではあまり使われない傾向にあります。
定期的なメンテナンスが必要ですが、それでも短命な素材といえます。
2: ガルバリウム鋼板
・特徴と使用状況
ガルバリウム鋼板は、現在の金属屋根の主流となっている材料で、トタンと同様に軽量で施工がしやすいです。トタンとの大きな違いは「耐久性」にあり、ガルバリウム鋼板の耐用年数は20〜30年とされていて、トタンよりも長持ちします。
・耐久性とサビへの強さ
ガルバリウム鋼板はトタンよりもサビに強く、屋根の表面を長く保護することができます。
ただし、経年劣化は避けられないため、適切なタイミングでの点検が重要です。
ガルバリウム鋼板の劣化症状と対策
ガルバリウム鋼板は耐久性が高いものの、年月が経つにつれて劣化が見られる場合があります。
ここでは、劣化の主な症状と、それぞれの対策方法を紹介します。
1: 錆び
・症状とリスク
ガルバリウム鋼板はサビに強いとされますが、放置すると次第にサビが広がり、雨漏りの原因となる恐れがあります。
特にサビが穴をあけるほど進行すると、住宅の木材や断熱材に水がしみ込み、カビやシロアリ被害につながるリスクが高まります。
・対策方法
サビは早期発見が肝心です。
定期的に専門業者による点検を受け、サビが発見された場合は速やかに部分補修や塗装の塗り替えを行いましょう。
2: 穴や凹み
・症状とリスク
飛来物の衝突や自然災害による衝撃で、ガルバリウム鋼板には穴や凹みが発生する場合があります。
屋根にできた穴や凹みは水が浸入しやすく、放置すると住宅全体の劣化を早めてしまう可能性があります。
・対策方法
軽度の穴や凹みは部分補修で対処できますが、自然災害後は特に屋根の状態を確認することが重要です。気になる損傷がある場合は、早めに専門業者へ相談し、必要に応じて修理を依頼しましょう。
3: 釘のゆるみ
・症状とリスク
ガルバリウム鋼板屋根は釘で固定されていますが、経年や風の影響で釘が緩み、雨水が屋根材の内部に浸入してしまうリスクがあります。
放置すると、雨漏りだけでなく、さらなる釘のゆるみによる屋根材のずれなどが生じます。
・対策方法
釘のゆるみは、定期的な点検を通じて早期に発見することが大切です。
信頼できる業者に点検を依頼し、ゆるみが見つかった場合には補修を行いましょう。
まとめ
トタンとガルバリウム鋼板は、それぞれに異なるメリットとデメリットを持つ屋根材です。
特にトタンは耐久性が低く、断熱性や防音性が課題とされる一方で、ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、サビにも強いことが特徴です。
しかし、ガルバリウム鋼板も錆びや釘のゆるみ、凹みなどの劣化が起こり得るため、定期的なメンテナンスと適切な対策が重要です。
福井市周辺で屋根のメンテナンスをお考えの方は、お気軽に当社までご相談ください。